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牛乳の紙パックは、息をふきこまれて、ぱんぱんにふくらんでいる。
若槻ナオトと逃亡したように、彼女の手をとって教師や警察から逃げらればよかったのだろうか?
彼女は、学校にも、自宅にも、もどってこなかった。
取り調べを終えたあと、警察署のトイレに行き、そこから出てこなかったのだ。
目の前の紙パックに、彼女のはきだした息が今も充満している。
生きていた最後の日の、いなくなる数時間前の、彼女の呼吸が。

牛奶盒裡灌滿了呼吸,鼓鼓地膨脹著。
如果像和若槻直人一起逃亡時那樣,我也牽起她的手,帶她逃離老師和警察,是不是就好了呢?
她沒回去學校,也沒回去家裡。
接受調查完之後,她去了警察局的廁所,再也沒有出來。
我眼前的牛奶盒裡,如今充滿著她所吐出來的氣息。
充滿著在她活著的最後一日,以及在她消失的數小時前的,她的呼吸。

——乙一,〈山羊座の友人〉,《メアリー・スーを殺して》

→好喜歡「牛奶盒裡的呼吸」這個敘述。呼出來的氣是死物,卻在主人死後成為最接近活物的東西,格外諷刺。另外也是在這理被騙,報紙上的預言果然還是成真了。

Alice / 2016.11.06