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「僕の場合は、競技をやめたらトレーニングの量はぐっと減ることがわかっていました。それまではスケート中心の生活をしてきたので、新しい生活のペースを決めるまで、ちょっと大変でした」

 そう語るフェルナンデスは、現在コーチとして指導する傍ら、プロとしてショーの活動も行っている。

「ファンタジー・オン・アイス」で羽生と再会して
 だが現在は、普段はほとんどトレーニングはしていないのだという。


「教えるために氷の上に乗っているけれど、自分のトレーニングはあまりしていません。氷の上にいない時間は、マドリードにある自分の事務所でマネージャーとスケート合宿など色々な企画をたてて、事務的な仕事もしています。でもショーの依頼が入ると、目標ができてトレーニングを再開できるので嬉しいんです。今でも練習をすれば、3アクセルまでは跳べます」

 今年は「ファンタジー・オン・アイス」にも出演して、久しぶりに羽生に再会した。

「本当に久しぶりだったので、お互いの近況を報告し合いました。最近どうしているの、と言われて僕が今やっている活動などについて語り、彼は彼の身の回りのことを話してくれました」


 今年2月の北京オリンピックは、スペインのテレビ局の解説者として見たというフェルナンデス。

「彼が4アクセルに挑んだのは、すごいことだと思う。あそこで成功していたら本当に良かったのに。そうしたら彼はまたもう一つ新たな歴史を作ったでしょう。でもどんなアスリートだって、ベストな演技ができる時とそうではない時があります。それがスポーツですから、仕方ありません」

 フェルナンデスはそう言って、苦労を共にしてきたかつてのライバルを思いやった。