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3599 【承前,百卌五廿二。右二首。】
 月余美能 比可里乎伎欲美 神嶋乃 伊素未乃宇良由 船出須和禮波
 月讀(つくよみ)の 光(ひかり)を清(きよ)み 神島(かみしま)の 礒迴浦(いそみのうら)ゆ 船出(ふなで)す我(われ)は
 太陰月讀矣 皎潔照臨光清朗 自於安藝之 神島礒岸浦迴間 乘船啟程我身也
遣新羅使 3599

3600 【承前,百卌五廿三。】
 波奈禮蘇爾 多弖流牟漏能木 宇多我多毛 比左之伎時乎 須疑爾家流香母
 離礒(はなれそ)に 立(た)てる杜松木(むろのき) 必然(うたがた)も 久(ひさ)しき時(とき)を 過(す)ぎにけるかも
 突峙離礒上 所以聳立杜松木 必也當然哉 吾度其已歷時久 屹立不搖至今矣
遣新羅使 3600

3601 【承前,百卌五廿四。】
 之麻思久母 比等利安里宇流 毛能爾安禮也 之麻能牟漏能木 波奈禮弖安流良武
 暫(しまし)くも 獨在得(ひとりありう)る 物(もの)にあれや 島杜松木(しまのむろのき) 離(はな)れてあるらむ
 縱令須臾間 形單影隻豈能耐 君見杜松木 得以孤立彼島上 然吾難堪別離去
遣新羅使 3601

 右八首 ,乘船入海路上作歌。