1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 | 「大将、雨でも行かなくちゃだからな」 「は~あ~~~」 「相合傘で行こうか。どうだ、これで少しでもやる気が出そう?」 「ぜーひーもーなーいーなー」 「おいおい、誰の真似さ」 「ん~んん~~⋯⋯」 「傘をさしてやるからさ」 「いや、いいよ⋯⋯。あたしが持つよ」 「そう?俺がさしてあげたら喜ぶかと思ったけど」 「あたしの方が背が高いから⋯⋯」 「そんなに差があるわけでもないし、俺は別にいいぜ?」 「高く持つと腕疲れるからー。バランスも悪いし。いいの、あたしが持つのー。ほれ、行くぞ⋯⋯」 「うーん⋯⋯うん。たまにはこういうのもいいね。大将はやる気がないくせに、今回は俺が得するのか」 「大好きだからねー。好かれてる方が得するもんなー」 「ははっ、そう言われるとな、反論ができんな。うん、俺は果報者だ」 「何よ。そこは、俺も大好きだって、言えばよかったのにぃ」 「俺ももちろん、大好きだぜ?」 「ふーんだ」 「おっと、肩濡れてるぞ」 「⋯⋯別に、ないない」 「優しい優しい俺の大将、俺は大好きだぜ?」 「⋯⋯何が言いたいんだよ」 「言葉そのままさ。もっとこっち寄れ」 「ちょっ、そんな抱いたらあんたの手が濡れるでしょう。少しだけだから、別にいいよ」 「大将の肩より、俺の手はどうでもいいからさ。手袋もあるし」 「てゆーか、濡れないし。ないない⋯⋯」 「強情だな。これも、体を冷やさないように、な?」 「は~あ~~~」 |
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