1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 | 3983 立夏四月,既經累日,而由未聞霍公鳥喧。因作恨歌二首 安思比奇能 夜麻毛知可吉乎 保登等藝須 都奇多都麻泥爾 奈仁加吉奈可奴 足引(あしひき)の 山(やま)も近(ちか)きを 霍公鳥(ほととぎす) 月立(つきた)つ迄(まで)に 何(なに)か來鳴(きな)かぬ 足曳勢險峻 群山分明不遠矣 嗚呼霍公鳥 何以月改既累日 未聞汝喧來鳴哉 大伴家持 3983 3984 【承前。】 多麻爾奴久 波奈多知婆奈乎 等毛之美思 己能和我佐刀爾 伎奈可受安流良之 玉(たま)に貫(ぬ)く 花橘(はなたちばな)を 乏(とも)しみし 此我(このわ)が里(さと)に 來鳴(きな)かずあるらし 在此越中地 可以貫華為玉緒 花橘乏少故 於茲鄙夷吾里間 霍公鳥不來鳴哉 大伴家持 3984 霍公鳥者,立夏之日,來鳴必定。又越中風土,希有橙橘也。因此,大伴宿禰家持感發於懷,聊於裁此歌。【三月廿九日。】 3985 二上山賦一首 【此山者,有射水郡也。】 伊美都河泊 伊由伎米具禮流 多麻久之氣 布多我美山者 波流波奈乃 佐家流左加利爾 安吉能葉乃 爾保敝流等伎爾 出立氐 布里佐氣見禮婆 可牟加良夜 曾許婆多敷刀伎 夜麻可良夜 見我保之加良武 須賣可未能 須蘇未乃夜麻能 之夫多爾能 佐吉乃安里蘇爾 阿佐奈藝爾 餘須流之良奈美 由敷奈藝爾 美知久流之保能 伊夜麻之爾 多由流許登奈久 伊爾之敝由 伊麻乃乎都豆爾 可久之許曾 見流比登其等爾 加氣氐之努波米 射水川(いみづがは) い行巡(ゆきめぐ)れる 玉櫛笥(たまくしげ) 二上山(ふたがみやま)は 春花(はるはな)の 咲(さ)ける盛(さか)りに 秋葉(あきのは)の 匂(にほ)へる時(とき)に 出立(いでた)ちて 振放見(ふりさけみ)れば 神(かむ)からや 爾許貴(そこばたふと)き 山(やま)からや 見(み)が欲(ほ)しからむ 皇神(すめかみ)の 裾迴山(すそみのやま)の 澀谿(しぶたに)の 崎荒礒(さきのありそ)に 朝凪(あさなぎ)に 寄(よ)する白波(しらなみ) 夕凪(ゆふなぎ)に 滿來(みちく)る潮(しほ)の 彌增(いやま)しに 絕(た)ゆる事無(ことな)く 古(いにしへ)ゆ 今現(いまのをつつ)に 如是(かく)しこそ 見(み)る人每(ひとごと)に 懸(か)けて偲(しの)はめ 越中射水川 巡行山麓流不止 珠匣玉櫛笥 名負盦蓋二上山 無論春花之 滿開爭豔盛咲時 抑或秋葉之 變色織錦朱紅時 出戶佇立而 翹首遙望瞻仰者 惟神隨神性 稜威高貴嚴幾許 惟岳自山性 吾等樂見無所厭 二上皇神之 裾迴山麓端山之 高岡澀谿崎 御岬礁岸荒礒間 其猶朝凪時 所寄白浪之所如 亦似夕凪時 滿來潮汐之所如 彌增徒長而 片刻亦無稍絕時 遠自曩古時 至於今現目可見 如是盡如斯 人每見之咸興感 讚嘆不絕馳偲哉 大伴家持 3985 |
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