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1925 悲別
 朝戶出乃 君之儀乎 曲不見而 長春日乎 戀八九良三
 朝戶出(あさとで)の 君(きみ)が姿(すがた)を 良(よ)く見(み)ずて 長(なが)き春日(はるひ)を 戀(こ)ひや暮(くら)さむ
 朝日開門楣 出戶君之光儀者 不得詳見而 春之日長隨戀苦 相思情憂難渡日
佚名 1925

1926 問答 【十一第一。】
 春山之 馬醉花之 不惡 公爾波思惠也 所因友好
 春山(はるやま)の 馬醉木花(あしびのはな)の 惡(あ)しからぬ 君(きみ)にはしゑや 寄(よそ)るとも良(よ)し
 春日山野間 馬醉木花之所如 不憎不為惡 人傳流言蜚語等 若是與君吾欣然
佚名 1926

1927 【承前,十一第二。】
 石上 振乃神杉 神備西 吾八更更 戀爾相爾家留
 石上(いそのかみ) 布留神杉(ふるのかむすぎ) 神(かむ)びにし 我(あれ)や更更(さらさら) 戀(こ)ひに合(あ)ひにける
 石上振神宮 布留神杉之所如 蒼然蘊古意 吾人齡邁至如此 仍獻戀圄無年功
佚名 1927
 右一首,不有春歌。而猶以和,故載於茲次。