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羽生結弦さん「超越。自分を超えたい」「想像の斜め上をいくプログラムを」 単独インタビュー
2022年8月11日 6時0分


 フィギュアスケート男子で2014年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦さん(27)が10日、地元のアイスリンク仙台で公開練習「SharePractice」を行い、プロスケーターとしての滑りを初披露した。新章のスタートは自身の公式YouTubeチャンネル「HANYU YUZURU」でもライブ配信され、10万人超が視聴した。合同取材後、スポーツ報知の単独インタビューに応じ、過去、現在、未来を語った。(高木 恵)

 ―5~6月にアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」に出演した。始まった頃にはプロ転向を決めていたのか?

 「ああ…まあ、それは、そうとも言えるし、そうとも言い切れないし、みたいなところですかね。実際、そのアイスショーという舞台を経験しながら、自分の決意が固まっていった感じはあります。なんか、ここでやっていきたいなっていうか、ここでっていうか、さらにここから、どういうふうに進んでいけるかみたいなことを感じながら、あとはまあ、自分の伸びしろをちょっと感じられたので、そういう意味でも、さらにうまくなっていきたいなっていうのは、ちょっと思いました」

 ―合同囲み取材では「年内の活動」についてめどが立ってきたと言っていた。それのための練習もしていると。「まだ内緒」と言っていたが、少しヒントを?

 「はははは(笑い)」

 ―どうか少しだけ…。

 「少し? まあでもなんか、競技っぽさはちょっと感じていただきたいかなーと。これからも、難しいことを含めて、やっぱチャレンジしていきたいですし、それが4A(4回転半ジャンプ)になるのかは、ちょっと分からないですけど。ただ、これからもその4Aを含めて、すごく難しいことと、同時に自分が表現したいことであったりとか、そういうものの両立を図っていきたいなって思います」

 ―アイスショーでいい?

 「ショーでいいとは思っているんですけど。ただ、なんかその、形がどういうふうになっていくかも、ちょっと今すごい考え中なので、そこはちょっと言い切れないんで。年内の活動って言っちゃうんですけど(笑い)。はい」

 ―7月19日の決意表明会見で「心を大切にしたい」と言っていたが、それはキス・アンド・クライでの笑顔が減っていったこととも関係がある?

 「あははは。そうですね。それももちろんそうですし、あと、アイスショーやっていてもそうなんですけど、やっぱりすごい自分が、その演技にかけきってしまうからこそ、たまに、なんだろう…メディアに出ている羽生結弦じゃないことを、すごくないがしろにしがちなんですよね、自分が。だから、それをまた、大切にしていけたらいいなというふうには思っていて、その、なんかその、自分の大切にする選択がもしかしたら、なんか失望したとか、なんか、もう見ないって言われてしまうかもしれないんですけど。でもなんか、その自分の価値がちゃんとスケートにあるようにしたい。そして、それも、その自分の心が空っぽになってからでは遅いので、しかも多分、自分にしか分からないし、自分が気付いてあげないと大事にできないんで。そこはなんか、これから自分がけがをしないとか、自分がボロボロにならないみたいなところも大切になってくるからこそ、自分の心をちゃんと認めてあげたいなみたいなところは感じていました」

 ―そのメディアに出てこない羽生結弦とは、プライベートの?

 「そうですね(笑い)。はい。自分自身というか」

 ―素の自分?

 「そうですね」

 ―羽生結弦にとって、羽生結弦ってどんな人間?

 「まあなんか、記者会見でも言ってましたけど、やっぱ重たいんですよね、それが。やっぱり、自分が理想としている自分っていうのが間違いなくいて、でもそれは普通に社会に出るにあたって、皆さんかぶるとは思うんですよ、それは。だけど、それがひときわ皆さんに注目されてしまうからこそ、もっとこれをしなきゃいけない、これをしなきゃいけないみたいなのは、強くなりすぎているとは思うんですよね。ただ、僕の場合はそれがあるからこそ、うまくなれているのは間違いないなって思っていて、だからこそ、それも大事にしつつ、そこに追いつけるような、その栄養をちゃんと取りつつ、っていうのを今プロになって改めて感じています」

 ―一番好きなプログラムと、衣装を教えてください?

 「ははははは! 一番好きなプログラム! うーんと…ぱっと出ないな。でも今は『天と地と』(注1)すごい好きです。自分でいられるって思っています」

 ―衣装は?

 「衣装は、えーっと…『ホワイトレジェンド』(注2)」

 ―プロとして新たなステージに立った。これから、やってみたいプログラムは?

 「今後やってみたいプログラムは…えっとー、皆さんが、想像しているものの斜め上をいけるようなプログラムにしたいです」

 ―今後の抱負は?

 「今後の抱負。そうだなー。うーん。『超越』。ふふふ。自分を超えたいなって思います」