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綺麗よな。あの、監督と中谷美紀さんとは、ちゃんとしゃべったことあるのん?って言うたら、あっ、2時間だけ時間があったっていうねん。16日しか時間がないし、もう撮れるときもそんなにないから、でもたまたまポッと空いた2時間があったんやて、その時にどう言うたかいうたら、この映画は予算もなく、そして何回も企画は飛んでんねんて、だからスケジュール押さえてもうても、お金集まらへんからもうダメってなって、それでまた美紀ちゃんの事務所に言うて、これダメかも分からないって言うたんやけど、いけるってなってスケジュールを無理から集めてもらったんやと。で、ある時期もうダメだろうと。この企画はダメだろうと思ったんやけども、中谷美紀がいてるんなら、もうね、美術費もいらない。ねっ、チョークで線引いてでも、この映画を撮るって。だってこういう思いの映画を撮らないとダメだって。自分が思ったって言うのよ。で、撮り終わった。ああ、良かったと。この世に中谷美紀がいてくれたから、この映画、こんないい映画が撮れたんだっていう思いを告げたときに、その中谷美紀は号泣し、自分もそれで泣いた言うのね。こんなね、監督冥利に尽きる。女優冥利に尽きる瞬間って、すごいなと思いましたね。その話を聞いたとき、やっぱり多くの人にこの映画を見てもらいたいなと僕は思いました。


- A Studio 笑福亭鶴瓶より -