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「複合動詞」とは、二つ以上の単語から成る複合語であり,複合語を構成する単語全てか、または後部の単語が動詞であって全体として動詞の役割を果たすものを言います。
<複合動詞の種類と格関係>
①動詞+動詞
・押し開ける(押す+開ける)
・流れ着く(流れる+着く)
*基本的に後項動詞が文全体の格関係(項の関係)を決定する。

②動詞+補助動詞
・降りしきる(降る+しきる)
・晴れ渡る(晴れる+渡る)
*前項動詞は本来の意味と格関係を持つが,後項動詞は文字通りの意味が希薄になっていて,格関係(項構造)もほとんど失われ,補助的(subsidiary)な動詞になっている。

③接頭化した動詞+動詞
・差し迫る(差す+迫る)
・ぶっ飛ばす(ぶつ(打つ)+飛ばす)
*前項動詞の本来の意味が希薄化し,接頭辞的になっているもの。この場合,前項動詞は後項動詞の意味を強めるだけで,格関係は後項動詞によって決定される。

次に「転成名詞」とは、他の品詞から変化して名詞になった語を言います。
①動詞の連用形が名詞になった語
・泳ぎ
・釣り
②形容詞や形容動詞の語幹に名詞化接尾語(み、さ、け、げ)が付いた語
・重み
・軽さ
・豪華さ
・寒け
・楽しげ
③形容詞の連用形が名詞になった語
・多く(用例:多くの人が集まった)
・近く
・遠く