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霊幻が渋々薬を飲み干すと、エクボが楽しそうに口元を吊り上げた。

「へっ、さすが霊幻先生、飲むの早ぇな。もう逃げらんねーぞ?」

「……は?誰が逃げるか。こんなもん、何も起きなきゃいいんだろ。」

霊幻は腕を組んで壁にもたれかかる。今のところ特に変化は感じられない。内心ほっとしていたが、それも束の間だった。

「……ん、クソ……これ、思ったより…来るな……」

エクボが苦しそうに額を押さえ、肩で息をし始める。顔が赤く染まり、目が潤んでいる。額から汗が一筋、喉元へとつたうのがいやに艶かしい。

「おい、平気か?」と声をかけると、エクボは顔を上げ、ニヤッと笑った。

「ハハ…大丈夫。つーか、もう我慢できねぇかも……」

その目がギラリと光る。次の瞬間、霊幻は壁に押し付けられていた。

「お、おいっ……!」

「ハァ……っ、霊幻、動くなよ……。なあ、これ、マジで…ヤベェって……」

エクボの息が荒く、全身が熱を持っているのが伝わる。舌が唇を湿らせ、手は霊幻のシャツの裾を強引にまさぐり始めた。霊幻は思わず肩をすくめたが――

「ッ……!?」

ビクッと体が跳ねる。指が腹に触れただけで、ゾワッと電気が走るような感覚が全身を駆け抜けた。

「……な、なんだこれ……」

冷や汗が背筋を伝う。息を整えようとするが、心臓の鼓動がどんどん速くなっていく。エクボが目を細めて笑った。

「ははっ、効いてきたか? なあ、霊幻……もっと感じろよ……」

「バ、バカ、やめ……!」

言いかけた瞬間、再び指が這い上がり、霊幻の体はまた大きく震えた。意識と体が噛み合わない。冷静でいようとするのに、体が勝手に反応してしまう。

「ちょ、エクボ……! 本気でヤバ……!」

「……もう、止めねぇからな……?」

耳元で囁かれる声が低くて、熱っぽい。視線が絡み、息が詰まる。

――その時、エクボの手が、シャツのボタンにかかる。

「……いいよな?」

ボタンを外したエクボの指先が、霊幻の胸元を這う。熱っぽい息が首筋を撫でて、肌がざわっと粟立つ。

「くっ……あ、ぁ……♡」

小さく喘ぎが漏れた瞬間、エクボの目が鋭く光る。
「……は、すげぇ声出すじゃねぇか……。もうちょい触るだけでこんなか?」

エクボの声が低く、焦れたように震えている。
けれど、その手はどんどん荒く、必死さが増していく。胸板を舌で舐め、指で乳首を軽くつまむが――

「……ッ、クソ……全然、物足りねぇ……っ」

エクボが忌々しそうに舌打ちする。どれだけ攻めても、自分の体がじんわり痺れるだけで、奥まで届かない。その焦燥が、ますます理性を曇らせていく。

「……おい霊幻、もう……入れるぞ……。お前、準備……いいな?」

荒い声で問うエクボに、霊幻は半分目を潤ませながら、浅くうなずく。

「……っく、早くしろ……。もう、無理……♡」

その声を聞いた瞬間、エクボの瞳がギラリと光り、腰をぐっと押しつけた。
霊幻の入口に硬く熱いものがあたる。ほんの少し擦れるだけで――

「っあ……ぁあッ……♡や、ば……♡」

ビクンと体が大きく跳ね、息が詰まる。
「……ッ、これ、すげぇな……」エクボが笑いながらも、顔は歪んでいる。興奮は頂点に達しているのに、半減した感度がまるで壁のように立ちはだかる。

「ッ……クソ、鈍すぎ……! 奥、奥まで……突っ込まねぇと、わかんねぇ……っ」

エクボは耐えきれず、ぐっと力を込めて一気に押し込む。

「んぁぁッ……♡♡は、ッ……ッ、い……っ、ああ……♡♡」

霊幻の声が甲高く裏返り、体がガクガクと震える。
中があまりにきつく締めつけてきて、エクボも思わず呻いた。

「はぁ、クソ……きつ……ッ、オレ様……もう止まんねぇ……」

何度も突き上げるたび、霊幻は耐えきれず声を洩らす。

「あッ♡あッ♡♡……や、やめ……♡ッ、い、いきそ……♡♡」

腰を逃がそうとしても、エクボが容赦なく押さえ込む。

「まだだ……!まだ、終わらせねぇ……っ」

エクボの目は完全に焦燥と快楽で濁っている。
動きはどんどん荒く、汗が滴り落ち、体を打ちつける音がいやらしく響く。

「くっ……っ、こんなにして……オレ……っ、もう……♡♡ああぁっ……♡♡」

霊幻は何度も絶頂寸前に追い込まれ、理性がほぼ飛んでしまっている。
エクボは必死に腰を動かしながらも、自分の奥底にある苛立ちを抑えきれず、何度も奥を突き上げる。

「ッ……まだ、全然……足りねぇ……!」

どれくらい時間が経ったのか、エクボがようやく動きを止めた。
息が荒く、額から汗が滴り落ちる。体は熱を持ったままだが、奥底に渦巻いていた苛立ちと欲求が、まだじりじりと燻っている感覚があった。

「……はぁ……っ、クソ……全然……満足できねぇ……」

エクボは霊幻の肩に額を押し付け、ゼェゼェと息を整える。
一方、霊幻はぐったりとベッドに沈み込み、ぼんやりと天井を見つめていた。

「……ッ……な、ん……だよ……これ……♡」
かすれた声でそう呟く霊幻の頬は赤く染まり、目元は潤んでいる。
さっきまで体を震わせて絶頂を繰り返していた名残が色濃く残っていた。

「……バカ……お前、……やりすぎ……だろ……♡」
力なくそう言うと、霊幻は弱々しくエクボの胸を叩く。

「は……っ、やりすぎ、だぁ?」
エクボはかすかに笑いながらも、どこか苛立ちが混じっている。
「……オレ様のせいじゃねーだろ……クソ、体ん中、全然満たされねぇ……まだ……燃えてんのに……っ」

霊幻はその言葉に半分意識を持っていかれながらも、もう限界という感じで目を閉じる。

「……勝手にしてろ……オレ、もう無理……♡……しばらく……動けねぇ……」

くたっと力が抜け、呼吸を整えようと深く息を吐く霊幻。
隣でエクボが、まだ苛立ちと名残惜しさを噛みしめるように肩を上下させていた。

「……これ、二度とやらねぇ。……クソ薬……」

霊幻がそうぼそっと呟くと、エクボはしばらく黙り込み、そして鼻で笑った。

「……さぁな。……次は……ちゃんと一緒に気持ちよくなんねぇとな……」

視線を天井に向けるエクボの目は、まだどこかギラついていた。

熱と興奮だけが部屋に残り、静かに空気が落ち着いていく。