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「おはよう、悟さん。」
「おはよう~恵」
学校に出席しない休日は、起きる時間帯も、いつもと少し違うのである。少年は自分の姉より早く起きた。そしておきてから、ちょうど例の人に会っていた。
「めずらしいですね。もしかして夜通ししましたか?」
「そうなんだよ~...はぁう...」
目の前に、白髪のグラサン男がその目を細めて欠伸をしている。本当に疲れているのか、わざとそうしているのか、その態度で戸惑ってしまった少年。
「お疲れ様でs」はぁ...
ぱっと起きたばかりなのに、そのせいなのか、今は微かに眠気が漂っているような空気。
そこに立っている男が、しばらくの間でずっと少年の姿に向けて目を丸くしていた。
「五条さん?」
「あくび、移っちゃったね」

男は笑みを浮かべた。
「はい。」
「まあ、今日くらいはいいよね?昨日は頑張ってくれたし。僕が言いたいことわかるかな?」
「えっ?」
「ふーん、わからないんだ。じゃあ教えよう!それはねぇ、今朝ごはんを作るから手伝ってほしいってことだ!」
さっきまでの無表情な顔とはまるで違くて、子供のような笑顔を見せてきた男。この人のこんな一面を見て、少年もまた微笑んでしまう。
でも、それとは別に、ちょっとした疑問があるのだ。
「どうしてそんなことをするんですか?俺は料理なんてできないですよ。」
「知ってるよ。それに、別に作らなくても大丈夫だよ。」
「えっ?」
「だってもうすぐ、」
ピンポーン インターホンの音だ。
「ほら来た。」