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アイドルマスターとのコラボで切符代1カ月分を稼ぐ

小口 アイドルと言えば、バンダイナムコエンターテインメントのアイドル育成ゲーム「アイドルマスター SideM」とのコラボもブレイクしています。

竹本 ゲームに出てくる男性アイドルユニット「Jupiter」の天ヶ瀬冬馬、御手洗翔太、伊集院北斗の3人が銚子電鉄でお仕事をするという設定です。アイドルマスターシリーズでは、ゲームのプレーヤーは“プロデューサー”と呼ばれています。新宿駅のイベントで銚電グッズを販売していたら、“プロデューサー”の女性にお煎餅を買っていただいたこともありました。「コラボしていただいてありがとうございます」と、逆にお礼を言われて恐縮でした。銚子電鉄で特別なヘッドマークを付けた電車を走らせて、海鹿島駅(あしかじまえき)には記念撮影できるパネルを設置して、プロデューサーの方々に実際に足を運んでいただいています。

小口 これまで銚子電鉄に縁のなかった、新たな層にリーチできたわけですね。

竹本 コラボ商品としては、アクリルスタンドやICカードを入れるパスケースを販売しています。うちはICカード使えないんですけどね。だから“Suica(スイカ)は使えませんが、米菓(べいか)は売っています”なんてプロモーションビデオを今撮ろうとしています。Suicaそっくりのデザインで、Beica(べいか)という丸いお煎餅の形のフリー切符を車内で販売しようかと。ICカードの代わりに米菓を改札に持ってきてもらえれば、駅員が口で「ピッ」と言って通してあげる。柿の種でも、ポン菓子でも「ピッ」。ポップコーンは、「ピンポーン」と言って通さない。

小口 いったい何の話ですか?

竹本 話題がそれちゃったんですけど、パスケースなどのアイドルマスターコラボ商品が、2週間で600万円分ぐらい売れました。

小口 600万円は切符代に換算すると?

竹本 1カ月から1カ月半ぐらいの売り上げに相当します。

小口 それは、かなり大きいですね。コラボの提案は、バンダイナムコさんから?

竹本 はい。本社宛にメールをいただいていたのですが、実はいただいていから1カ月近く誰も返信していなかった。

小口 危なかったですね。

送られてくるアイデアの売り込みに「無理なんだい!」
小口 コラボ商品もどんどん増えていて、もはや銚電ブランドになっています。食品だけでなく、アパレルや文房具まで手を広げていて、まるで、仕事を選ばないと言われる、サンリオの「ハローキティ」みたいですね。商品企画の売り込みは多いですか?

竹本 多いです。とにかくすごいんですよ。サンプルもたくさん送られてきて対応しきれない。アイデアも色々と送っていただけるんですけど、だいたいは昔思いついて実行して失敗したものや、訳あって断念したものと同じようなものばかりです。

小口 どんなアイデアが送られてくるのでしょう。

竹本 「焼き肉のタレ味のぬれ煎餅を出したい」とか、「駅をお花でいっぱいにすればいいのに」とか、「観光列車化すべき」とかですね。さらに、「銚子電鉄の歌の作詞をしたから、曲をつけてCDにして収益を山分けしよう」なんて無理難題を吹っかけられて、我々としては「無理なんだい!」って返したいですね(笑)。