1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
66
67
68
69
70
71
72
73
74
75
76
77
78
79
80
81
82
83
84
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
100
101
102
103
104
105
106
107
108
109
110
111
112
113
114
115
116
117
118
119
120
121
122
123
124
125
126
127
128
129
130
131
132
133
134
135
136
137
138
139
140
141
142
143
144
145
146
147
148
149
150
151
152
153
154
155
156
157
158
159
160
161
162
163
164
165
166
167
168
169
170
171
172
173
174
175
176
177
178
179
180
181
182
183
184
185
186
187
188
189
190
191
192
193
194
195
196
197
198
199
200
201
202
203
204
205
206
207
208
209
210
211
212
213
214
215
216
217
218
219
220
221
222
223
224
225
226
227
228
229
230
231
232
233
234
235
236
237
238
239
240
241
242
243
244
245
246
247
248
249
250
251
252
253
254
255
256
257
258
259
260
261
262
263
264
265
266
267
268
269
270
271
272
273
274
275
276
277
278
279
280
281
282
283
284
285
286
287
288
289
290
291
292
293
294
295
296
297
298
299
300
301
302
303
304
305
306
307
308
309
310
311
312
313
314
315
316
317
318
319
320
321
322
323
324
325
326
327
328
329
330
331
332
333
334
335
336
337
338
339
340
341
342
343
344
345
346
347
348
349
350
351
352
353
354
355
356
357
358
359
360
361
362
363
364
365
366
367
368
369
370
371
372
373
374
375
376
377
378
379
380
381
382
383
384
385
386
387
388
389
390
391
392
393
394
395
396
397
398
399
400
401
402
403
404
405
406
407
408
409
410
411
412
413
414
415
416
417
418
419
420
421
422
423
424
425
426
427
428
429
430
431
432
433
434
435
436
437
438
439
440
441
442
443
444
445
446
447
448
449
450
451
452
453
454
455
456
457
458
459
460
461
462
463
464
465
466
467
468
469
470
471
472
473
474
475
476
477
478
479
480
481
482
483
484
485
486
487
488
489
490
491
492
493
494
495
496
497
498
499
500
501
502
503
504
505
506
507
508
509
510
511
512
513
514
515
516
517
518
519
520
坡 生日回想 〈下僕と主人〉

托爾斯泰:
こんにちは!もう始まっちゃっていたかな
哈囉!已經開始了嗎?

道爾:
いや、今ちょうどお湯が沸いたところだよ
沒有,水剛煮沸而已

托爾斯泰:
僕たちも招待してもらえるなんて、ありがとう
謝謝你也邀請了我們

托爾斯泰:
コナン・ドイルさんのお茶会ってだけでも嬉しいのに、飲んだのない紅茶がたくさんあるって聞いて
フェージャも楽しみにしていたんだ
很開心可以參加柯南道爾先生的茶會,尤其是聽說這裡有很多種紅茶
費佳也很期待

杜斯妥也夫斯基:
余計なことは言わなくていいっての
不要多嘴

托爾斯泰:
大丈夫。 フェージャが紅茶に目がないことはみんな知っているんだから、余計なことじゃないよ
不會啦,大家都知道費佳很熱愛紅茶。沒關係的

杜斯妥也夫斯基:
で、またなんでこんな。うまい紅茶が飲めるって聞いて連れてこられたんだが……
唉,又這樣。聽說這裡有很好的紅茶,所以就來了……

道爾:
これはポー氏の依頼でね
それぞれの好みの茶葉を見つける会であり、紅茶の淹れ方を指南する会だ
這是坡先生的請求
舉辦一場幫助大家尋找喜歡的茶葉、並教導紅茶沖泡技術的茶會

坡:
ハワードに紅茶の流れ方を学ばせている
讓霍華德學習泡茶

杜斯妥也夫斯基:
ヘえ?
誒?

坡:
ここは本の世界違って不都合が多いからな。 色々と覚えさせているところだ
這裡和書中世界不一樣,有很多不方便。各種事情都要學

洛夫克拉夫特:
……完成、しました
……已經、完成了

道爾:
よし、ではいただこう
好,來試試吧

托爾斯泰:
美味しい!持ち上げて口に近づけた瞬間、優しい香りが広がったよ
渋みも全く無くて、口当たりも爽やかだね
好喝!在湊近嘴邊的時候,柔和的香氣散發出來,沒有澀味,口感很清爽

杜斯妥也夫斯基:
……なかなかやるじゃねえか
……相當不錯

托爾斯泰:
すごいねハワードさん、紅茶を美味しく淹れられるようになったんだね!
很棒呢霍華德先生,你可以泡出很好喝的紅茶!

洛夫克拉夫特:
………………………………

坡:
……及第点だ。ようやく下僕らしい振る舞いを覚えたな
……合格。終於學會僕人該會的事了

洛夫克拉夫特:
…………はい
…………是

道爾:
くくっ、ははは
呵呵

坡:
何がおかしい、コナン・ドイル
怎麼了,柯南道爾

道爾:
いや失礼。主人の言葉は他の何人の称賛にも勝るのだと思ってね……
失禮了。看來主人的話遠勝於其他的稱讚……

道爾:
いやはや、「主人と下僕」……不思議な主従関係だ
唉呀,「主人與僕人」……真是不可思議的主從關係

坡:
ふん、大したことではない
喔,沒什麼了不起的

道爾:
そんなことはないよ。ハワード君がここまで貴方に忠誠を誓っていることを
私はいつも不思議に思っている
絕對不是。霍華德君已經對你表現忠誠很長一段時間了
我覺得很神奇

道爾:
どのような出会い方をすれば、このような信頼関係を築けるのかとね
真想知道你們是怎麼認識、如何建立這樣的信賴關係的

坡:
ふん……詮索好きな男だ。そんな手に乗ると思うなよ
哼……真是八卦的男人。別想了,我不會上你的當

坡:
だが………ハワードに紅茶の流れ方を教え込んだ礼だ
少しなら話してやってもいいだろう
不過……為了感謝你教霍華德泡茶
我可以稍微講一點

·

坡:
今日も何もなし……か
今天什麼也沒有……嗎

坡:
つまらん……世界を操る力を持ったところで、すべてが予定調和にしかならぬ
好無聊……即使有控制這個世界的力量,也不會出現預料之外的事

坡:
たまにやってくる負の感情を持った侵入者も、他愛もないものばかりだ
偶爾會冒出挾帶負面情緒的入侵者,也還是很無趣

坡:
…………!何の気配だ。侵入者か?
…………!有動靜。是入侵者嗎?

(洛夫克拉夫特站在坡背後)

坡:
こいつ……気取られることなく私の背後に立っただと?
這人……就這麼無聲無息的站在我背後?

坡:
貴様……どこから入ってきた?
你這傢伙……是從哪裡來的?

洛夫克拉夫特:
……………………………

坡:
敵意はないか。どうやら、「外」からやってきたようだな
沒有敵意。看來,他來自「外面」

坡:
面白いやつだ。名を名乗れ
有趣的傢伙。報上名來吧

洛夫克拉夫特:
……………………………

·

坡:
ふん……ハワードフィリップス・ラヴクラフトか……
嗯……霍華德·菲利普斯·洛夫克拉夫特嗎……

坡:
それで貴様は、フラフラ歩いているうちに自分の家がわからなくなったと言うのだな
所以,你在四處亂晃時迷路了回不了家?

坡:
その自我が安定していない様子……そもそも本当に「家」があったのかも疑わしい
看起來連自我都很不穩定……是不是真的有個「家」都值得懷疑

坡:
しかし……この場所に来て眉一つ動かんか、つまらん人間だ
この館の恐怖の力を理解しないなど……ふん
但是……這人來到這裡連眉毛都不動一下
不能理解這宅邸的恐懼之力嗎……嗯

坡:
まあいい。私はエドガー・アラン・ポー。お前、行くあてがないなら好きにすれば良い
算了。我是艾德格·愛倫·坡。你啊,沒別的地方能去的話就留下來吧

坡:
この屋敷でさまよえる魂が一人増えたところで、何の不都合もない
多一個靈魂在這屋裡也不會有所不便

·

杜斯妥也夫斯基:
何だよそれ。 よくそんな正体不明のやつを野放しにできるな
怎麼回事。就這樣放著一個原型不明的傢伙不管可以嗎

道爾:
ハワード君は別世界からやってきた……というよりは、漂流してきたと言うべきか
霍華德君是從別的世界過來的……更精確的說,流浪來的

托爾斯泰:
名前は覚えているけど、自分がどこから来たのかもわからない、か……
記得自己的名字,但不知道自己從何而來、嗎……

托爾斯泰:
ハワードさんも、不安だったよね。ポーさんに出会えて、とっても嬉しかったと思う
霍華德先生應該會覺得很不安吧。能夠遇見坡先生,我想這是件很值得高興的事

道爾:
それで、その後は?
所以,後來呢?

·

坡:
多少は退屈が紛れるかと思っていたが、見当違いだった
我以為往後會回到原先無所事事的狀態,但我猜錯了

坡:
この私が、少しずつヒトとしての作法を教える羽目になったのだ
我開始一點一點的慢慢教他如何當個人類

道爾:
ヒトとしての作法……?
當個人類……?

托爾斯泰:
例えば……どんな
例如……什麼

坡:
そうだな、まず言葉だ。文法が支離滅裂だった
這個嘛,首先是言語。他的語句很支離破碎

坡:
今でもかなり怪しいが……今よりも、なのか
雖然現在還是很怪……至少比較好了

坡:
それに、まっすぐ歩けずフラフラしてそこら中にぶつかる
再來,他走路很飄忽不定,還經常到處亂撞

坡:
貴様……まともに歩けもしないくせに四六時中ついてきおって!
你這傢伙……就算常常迷路,也不用二十四小時跟著我吧!

洛夫克拉夫特:
……………………………

坡:
そして、すぐ行方をくらます
然後,他很快就不見了

坡:
——ここか
——這裡

坡:
お前……なぜ私の部屋の壁に穴が空いている?
久方ぶりに顔を見せたと思ったら、私の完壁な世界に傷をつけおって……
你啊……為什麼我的屋子有個洞?
好陣子沒來看,我原先完好無損的世界被傷成這樣……

洛夫克拉夫特:
……………………………

坡:
やれやれ。まるで赤子だな……
真是的。簡直像個嬰兒一樣……

·

托爾斯泰:
苦労したみたいだね……
看來是段辛苦的日子……

杜斯妥也夫斯基:
大変だよな、「世間知らず」のお守りはよ
真的很困難啊,作為「天真無邪」的守護者

道爾:
それがどうして下僕に?
為什麼他會變成你的僕人?

坡:
ふん、そう急かすな。あれは、今日のように寒い日だった
嗯,別這麼急。那是個像今天一樣的寒冬……

·

黑貓:
にゃーん


坡:
どうだ?気分転換に季節を冬にして雪を降らせてみたのだ
暖炉の木っ端の爆ぜる音が心地よいだろう?
怎麼樣?季節變換了,我試著在冬天下點雪
壁爐燃燒木頭的聲音很療癒吧?

坡:
貴様か。どうした、何か言いたいことでもあるのか?
是你啊。怎麼了,有什麼話想說嗎?

洛夫克拉夫特:
……………………………

坡:
震えているな、寒いのか?
你在發抖,怕冷嗎?

洛夫克拉夫特:
冷え、冷気、凍り、ます
好冷、冷到、結凍

洛夫克拉夫特:
腕、足、硬い、なります
手、腳、變得、僵硬

洛夫克拉夫特:
……………………………

洛夫克拉夫特:



(洛夫克拉夫特罐子內的生物爬出來)

ガシャン!
哐啷!

(罐子摔到地上)

坡:
おい、壷が砕け散ったぞ……!
呃,罐子碎了……!

(背景轉黑)

坡:
な……!?
什麼……!?

坡:
ハッハッハッハッ……!面白いことをしてくれるではないか
哈哈哈哈!這不是很有趣嗎

坡:
だが、この私に刃を向けるなど愚かしい……!
但是,對我刀刃相向是愚蠢的……!

(坡召喚黑貓打退)

坡:
ハッハッハッハッ……
哈哈哈哈……

坡:
貴様、恐怖の力を持っているようだな……!
看來你也擁有恐懼之力……!

洛夫克拉夫特:
……!

坡:
何を驚いている、壷を拾え。この部屋に入る前に戻しておいてやった
何必驚訝呢,把罐子撿起來吧。進屋子前把它復原。

洛夫克拉夫特:
…………

坡:
その壷の闇の力は封じた。以前よりも強力にな、感謝しろ
把罐子裡的闇之力封回去。要比以前更強,感謝

洛夫克拉夫特:
はい……
是……

(生物被塞回罐子裡)

坡:
それにしても、この館の恐怖の力を理解しないではなく
お前の魂が恐怖そのものだったとはな……
這麼說來,你不是無法理解這個宅邸的恐懼之力
而是你的靈魂即是恐懼本身……

坡:
ハッ、気にいった。私の下僕としてやろう……ポー様と呼べ。私に仕えるが良い
哈,我喜歡。可以來做我的僕人……叫坡大人。好好服侍我吧

洛夫克拉夫特:
……はい、ポー様
……是的、坡大人

·

坡:
……というわけだ
……這就是事情始末

托爾斯泰:
いきなり話が壮大になってよくわからなかったけど……
故事突然變得太宏大,聽不太懂……

道爾:
つまり、その出来事があって、ハワード君の力を認めたのだな
換句話說,那個事件證明了霍華德君的力量

杜斯妥也夫斯基:
その闇の力ってやつ、気味が悪いが……封じられてたようで何より
闇之力聽起來令人毛骨悚然……最重要的是,它是被封印起來的

洛夫克拉夫特:
ポー様、素晴らしい、持ちます。 魂、カ、アイス
坡大人、擁有、最好的。靈魂、力量、冰淇淋

坡:
ハッ………少しは言葉も流暢になったようだな
哈……看來說話漸漸變得流暢了

洛夫克拉夫特:
……………………………

坡:
ふん。あの時から比べると、最近の働きには目を瞠るものがある
嗯。與那時候相比,最近工作表現也相當令人吃驚

洛夫克拉夫特:
……………………………

道爾:
そうだな。ここで多くの人々から学んでいるのだろう
是啊。他在這裡向很多人學到不少事

道爾:
この紅茶にしてもそうだ。手本として見せた動作を正確に再現できる
外気温も考慮した湯と茶器の温度も完壁だ。正直驚いたよ
這個紅茶也是這樣。可以將動作正確的重現
考量到氣溫,茶和茶具的溫度也很理想。老實說讓我很驚訝

洛夫克拉夫特:
ポー様のため……
為了坡大人……

道爾:
なるほど、主人のためになることならすぐに身につけてし
まうようだまるで何でも吸収するスポンジのようだね。未恐ろしい人だよ、ハワード君は
原來如此,為了主人可以學會任何事啊
吸收能力就像是一塊海綿一樣。真是未來無可限量的人啊,霍華德君

坡:
……褒められているぞ、ハワード
人家在誇你呢,霍華德

洛夫克拉夫特:
……はい、ありがとう、感謝、表します
……是、謝謝、非常、感謝

洛夫克拉夫特:
下僕、なります。完壁、非の打ち所、ない。さらなる、飛躍、ポー様のため
成為、僕人。完美、無可挑剔、不夠。更進、一步、為了坡大人

坡:
ふっ……せいぜい励め
嗯……盡量努力吧

托爾斯泰:
じゃあ、今度は僕の知っている美味しいお菓子を教えてあげるね!
ポーさんに紅茶を淹れてあげる時に、一緒に出してみて
那麼,下次我來教你做點心吧!
幫坡先生泡紅茶的時候,可以配著一起享用

杜斯妥也夫斯基:
そうだな……ホイストのルールとかどうだ?カードができると暇つぶしにもなるし、ご主人も喜ぶぞ
是啊……教你玩惠斯特牌(whist)怎麼樣?可以玩這個打發閒暇時間,主人會很高興吧

洛夫克拉夫特:
……………………………

(洛夫克拉夫特眼神飄向坡)

坡:
……一々こちらを見るな。好きにすると良い
……別一直盯著我看。喜歡就說好啊

洛夫克拉夫特:
……はい
……好

洛夫克拉夫特:
……………………………

洛夫克拉夫特:
ポー様、紅茶、淹れます
坡大人、紅茶、泡好了

坡:
そうだな、喋りすぎて喉が乾いた。もう一杯もらおう
是啊,說了那麼多,喉嚨也乾了。再來一杯

洛夫克拉夫特:
はい、ポー様
是、坡大人

〈信件〉

【司書】樣:

この茶器は悪くはない、私の好みをよく調べたな。 あの茶会にいた誰かの入れ知恵なのだろうが、その努力は褒めてやる

ハワードもお茶の淹れ方を身に着けたところだ。いい茶葉もある、これでこの世界でも少しは退屈せず過ごすことがでぎるようになるだろう

【司書】大人:

這套茶具真不錯,我已經知道自己的喜好了。參加那場茶會是明智的選擇,我對這番努力表示讚揚。

霍華德剛學會如何泡茶。這裡也有好的茶葉,讓我可以在這世界多待一會也不會無聊。