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宝塚 宙組は「いまのメンバーで」 遺族側に在団生全員から謝罪の手紙 村上理事長、改革状況など明かす
2024.07.31(Wed)


 宝塚歌劇団の村上浩爾理事長が31日、宝塚歌劇団で取材に応じ、劇団改革の進捗(しんちょく)状況や、約9カ月ぶりに再開した宙組の現状について語った。

 現在、稽古期間や休暇日数を延長。新人公演の日程など全体的な時間の余裕を持たせた。また、こまごまとした仕事も精査し、「情報を共有し(劇団員の)負担を軽減、分散する方向でやっている」と明かした。

 各組のルールも、宙組から可視化し、「ルールを守るためのルールになっている。過剰なものは廃止し、精査した」という。ハラスメント教育も順次行い、宝塚音楽学校とも、これまで以上に連係。「風土改革と口で言うのは簡単だが、実際は難しい。それでも下級生からもいろいろと意見が出ている。この意見が出るというのが大切」と語った。


 また宙組再開にあたり、昨年9月に亡くなった宙組劇団員の遺族から「意見はいただいていない」と明かした。さらに再開初日のあいさつで哀悼の言葉がなかったことに「いろいろなご意見があることは承知しております」とした上で「ご遺族がいらしゃらない場で、弔意を示すことがどうなのかというのが一番大きかった。あの場では、再開を応援し来場してくださった方にごあいさつした」と、葛藤があったことを吐露した。

 宙組については現在在籍者が60人と、他組に比べ3割近く少ない。だが「いまのメンバーで前に進めていくのが大事」と、当面の組替えなどはないという。将来的には「5組の魅力を最大限にするのが大事。人数バランスがあるので、このままというのはないが、宙組を意識したものではない」と組替えにも言及。その一方で「宝塚は座付き演出家なので、組に合わせた作品ができるので」と人数の少なさについては心配しておらず、現在の宙組にふさわしいものを作っていく考えを示した。

 宙組の次回大劇場公演は2025年1月1日開幕の「宝塚110年の恋のうた/Razzle Dazzle」で、ここから宙組も通常の大劇場公演に。現在チームで各組を回っている110期生徒も、組配属時には、宙組にも振り分けられるなど、徐々に通常モードに戻ってきている。

 3月の遺族との合意時には、組の上級生のうち4人の謝罪の手紙が間に合わなかったが、「在団生からは、全員送らせていただいた」と劇団生全員が謝罪したことを明かした。