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「はい、えー、こんにちは、羽生結弦です。ええ、この度はこのような場に、ええみなさん集まってくださって、そして、ええ見てくださって本当にありがとうございます。ええ、最初に、一つ、ええもう一つだけ感謝を述べさせていただきます。先、先の一部報道であった通り、ええ、いろんな事を言われてしまいましたが、その中でも、自分のこと、そして、ええここまで応援してくださっているファンの方々を含め、いろんなことを考えながら気持ちを大切に、ええしていただきながら、自分が決意を表明することを、常にメディアで発信してくださった方々に、ええ、深く深く、御礼をさせてください。本当にありがとうございました。ええ、これまでたくさんの応援のおかげで、僕はここまで来れました。ここまで頑張ってくれました。そして、ええ、ここにいてくださっているメディアの方々、そしてカメラマンの方々も含めて、本当にたくさん応援していただきました。そういった皆さんの応援の力の中で、羽生結弦として、フィギュアスケートを全う出来るのが、本当に幸せです。ええ、まだまだ未熟な自分ですけれども、(大きく息吸って)プロのアスリートとして、スケートを続けていくことを、決意致しました。ええ、本当に、ああ。はははは。やあ、本当に、あの緊張してます。あの、こんなしがない自分なんで、言葉づかいが悪かったり、噛んだりしても許してください。へへへ。えっと、これからもプロのアスリートとして、競技者としてのほかのスケーターと比べ続ける、比べ続けられることはなくなりました。ええ、ただ、これからは自分のことを認めつつ、また、ええ自分の弱さと、そして、ええ、自分の、過去の自分とも戦い続けながら、ええこれからも滑っていきたいと思っています。ええ、そして、4回転半ジャンプにも、より一層取り組んで、皆さんの前で成功させられることを、強く、ええ考えながら、これからも頑張っていきます。どうか、ええ戦い続ける姿をこれからも応援していただけたら嬉しいです。そして、ええ、ひとりの人間として、ええ自分の心を、大切にしたり、ええ守っていくっていう選択もして行きたいなというふうに思います。ええ、僕がこれまで努力してきたこととか、そういったことが応援してくださる方々に、評価していただいたり、見てもらえたり、そこで何かを感じて頂けたり。そんなことが、僕は本当に幸せです。その幸せも、大切にして行きたいなぁっていうふうに、今思っています。ええ、はぁ。えっとぉ、いろんな選択をして行く中で、失望したなとか、もう見たくないなとか、思われてしまうと、とても悲しいですけれども、それでも、自分のスケートが、やっぱりみたいなとか、見る価値があるなって、思っていただけるように、これからももっともっと頑張っていきますので、どうか応援していただけたら嬉しいです。そして、ええ、ふぅ。これまで応援してくださったたくさんの方々、今回も、どんな、どんな決断でも、どんなときでも、今回のこんな、ええ会見でも、頑張れって。緊張するだろうけど、応援してるよって。応援してくださるコメントを寄せてくださってて、本当に僕はいつも救われています。本当にありがとうございました。ええ最後になりますが、羽生結弦として、そしてええ一人間として、ここまで育ててくださった幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と、いろんな先生方、そして、フィギュアスケートを教えてくださった先生方、たくさんの先生方、本当にありがとうございました。また、自分の心を、自分のことを大切にしてくれた人たち。本当に、本当に本当に、ありがとうございました。僕は、自分の口から決意を、言いたいなぁって思っていたので。事前に、大切な人達に言うことができなかったんですけれども、それでも、何も言わずに、自分のことを大切にしてくれて、なんか…僕も、そういう大切な方々が、本当に大切だなって思ったし。またこれからも、大切にして行きたいなって、思いました。本当に、僕なんかのことを大切にしてくださり本当にありがとうございました。ええ、これからもより一層頑張っていきます。ええ、まだ今まで、スケートを生で見たことがない方も含めて、ええ、うん、見て良かったなって。絶対、見る価値があるなとか、そういうふうに思っていただけるようにこれからも更に頑張っていきます。そして4回転半ジャンプも含めて、挑戦を続けて、これからもさらに高いステージに行けるように頑張っていきます。ええ…これからはプロのアスリートとして、そして、スポーツであるフィギュアスケートを大切にしながら、加えて、羽生結弦の理想を追い求めながら、頑張って行きます。どうか、これからも戦い抜く姿を、応援してください。今日は本当に、ありがとうございます。まだまだ、ええ、自分の口から、自分で考えてきたことだけだと、話せないことはいっぱいあるので。どうか、あのぉ、質問いっぱいください。そしたら喋れると思うので。どうかよろしくお願いします。ありがとうございました。以上です」 【質疑応答】 ―今回競技者として、勝負の場から離れる決断に至ったのはなぜ。またその決断に対してさみしさは? 「はい、ありがとうございます。えっとぉ、寂しさは全然ないです。むしろ、あの、今回、ええ最初にこの会見の、ええ案内文を考えていた時に、ええ今後の活動についてとか、今後の活動に関してみたいなことを、ええ書いていただいたんですけれども、自分の中で、なんかそうじゃないなぁって思って。なんか、もっと、決意に満ち溢れたものですし、もっともっと、希望に満ち溢れたものだなって自分の中では思っていたので。なんか、むしろ今は、自分としてはこれからも期待してやってくださいって、胸張って言えるっていう、気持ちでいます。なので、さみしさは特にないです。これからさらに頑張っていきたいなって思いますし、あと、もっともっと、そのぉ試合っていう限られた場所だけじゃなくて、もっといろんな方法で、自分のスケートを見ていただく機会があるかなというふうに思ってますし、作って行きたいなって考えているので。あのぉ、ぜひ、楽しみにしていただきたいなぁなんて、自分では思っています。ありがとうございます」 ―五輪3回出場、2つの金メダルを獲得。多くの国民に夢や感動や希望を与えた。改めて、五輪とは一言で言うと? 「ありがとうございます。オリンピックは、そうですね。あの、もちろん、自分にとっては2連覇できた自分の今を、ええ、今の自分の、まあこういう立場だったりとか、こういう発言をさせていただく場所だったりとか、そういうものをつくってくれている大切なものたちだなという風には思うんですけれども、それプラス、ええ、やっぱり北京オリンピックで、もちろん挑戦が成功したわけではないんですけれども、それでも、ええ、自分が夢を追い続けたりとか、うん。なんか、頑張り続けた、なんか、ある意味、それを、んーと、証明できた場所、でもあったと思うので。ええ、そういう中で、皆さんがその姿を見てくださり、『あぁかっこいいなぁ』とか、『応援したくなるなあ』とか、また自分自身が『何か前に進もうっ』て。『ほんの一歩だけでも進もう』って、思っていただけるような機会になったことが、何よりも嬉しいなって思ってます。なんか、もちろん一つずつオリンピックに意味づけをしてしまうと、オリンピックっていうものに対してなんか、全部意味付けしちゃうと本当に長くなっちゃうんですけれども、僕にとっては、自分が…生きているっていう証っていうか。そして、皆さんと共に歩み続けた、頑張った証でもありますし。これから頑張っていくための土台でもあるかなっていうふうに思います。ありがとうございます」 ―今後競技会には出ないという決断か。また決断に至った経緯、揺れ動いたりしたのかも含めての心境を改めて 「はい、えー、ありがとうございます。えっとぉ、…まず最初に、えっとこれから競技会っていうものに、出るつもりは、ないです。ええ、僕が、ええこれまでやってきた中で、もう競技会に対して、結果っていうことに対して、取るべきものは取れたなあというふうに思っていますし、ええ…そうですね。そこに対する評価を、もう求めなくなってしまったのかなっていう気持ちもあります。ええ、まあそれが、ここまで至った経緯です。そして、ええ、…自分が、まあ揺れ動いたりとかっていうのは、もちろんあったんですけど、そもそも平昌オリンピックの時点で、もう引退しようと思っていて。引退っていう言葉があんまり好きじゃないんで使いたくないんですけど。まあなんか、あの僕が、ええ、16歳だったり17歳ぐらいのときのインタビューで、あの、『2連覇したらどうするんですか』って言われたときに、『いやそこからがスタートです』って、本当に、自分の心の中から言える時期があって。今本当に、そういう気持ちでいます。なんか、自分の中では、平昌オリンピックから、そこからプロのスケーターとして、プロのアスリートとしてスタートするんだっていうふうに思っていたんですけれども、まあ4回転半だったりとか、またあの、四大陸選手権も含めて、あの金メダル取れてない試合が何個かあったので。それを取りたいって思って、続けました。で、結果として、まあ4回転半にこだわり続けた結果、まあ北京オリンピックっていうところまで続いたんですけれども、今、の、自分の考えとしては、『別に競技会で降りなくてもいいじゃん』って、思ってしまっています。なんか、これからさらに、自分が、努力したい方向だったりとか、自分が理想としているフィギュアスケートっていう形だったりとか、そういったものを追い求めるのは、競技会じゃなくてもできるなって。むしろ競技会じゃないところの方が、皆さんに見て頂けるんじゃないかなっていうふうに思って、こういう決断をしました。ええ、これからも4回転含めて、よりアスリートらしく、頑張っていきたいなって思います。ありがとうございます」 ―人の人生、社会にまで影響を与えるアスリートも一握り。自身がそこにまでなれた自分にしかない特徴や、自分で持っていると感じるものは 「ありがとうございます。なんか、自分でそういう実感があまりないので。わからないんですけど、ただ、今この場所にいる羽生結弦としては、あのぉ、なんか、まあ客観視して、本当にすごく遠くから、その例えば、なんか今カメラさんが居る場所から、とか、自分の上からとか見たら、『羽生結弦ってどういう存在かなあ』って思うと、なんか。たくさん応援していただけるからこそここに居るんだなって言うのは思うんですね。別に、羽生結弦が何かを持ってるからとか、なんか僕自身が何かをしてきたからとか、そういうんじゃなくて。ええ、いろんな環境の変化があったりとか、ええ、いろんな、うん…いろんなことで、自分の演技を見ていただいたり、自分の発言をさせていただく場所があったり、聞いていただく場所があったりすることによって、僕は、特別応援していただける、本当に、運のいい人間なんだなというふうには思っていて。それが、僕自身も、うん。もっと、もっと頑張っていかなきゃいけないとか、より色んなことを考えたりとか、どんな言葉が良いのだろうかとか、どんなことを考えていけばいいのだろうかとか。そういうことを考えさせてくださるきっかけになってたので。なんか、別に作り上げているわけではないんですけれども、でも、そうやって皆さんに応援していただけるからこそ、たくさんの方々が応援していただけるからこそ、僕はここで発信できる。発言できるんだなあっていうふうに強く思いますし、その上で、僕自身もその期待に応えられるように、その期待をさらに超えていけるように、頑張っていきたいなって思えたので。まあ、そんな、感じで、やってこれたのかなって思います。ただ、あの、やっぱり、あのぉ、言ってくださった通りに、ボクはアスリートでしかないと思っていて。で、これから、あのいろんな演技をしていったりとか、まあスケートを続けていくにあたって、ええ、いろんな面が見えたりすると思うんですね。ただ、その中でも、やっぱり、なんか、芸能人とか別にアイドルでも何でも無いですし。なんか、やっぱりアスリートとしてかっこいいなって、アスリートとして、いろんな希望とか夢とかを、あの見せてもらえるなって、思ってもらえるような存在として、これからも努力して行きたいなって、今思っています。ありがとうございます」 ―競技者として、これまで貫けたなと思うこと。そしてこれからも貫いていきたいなと思うことは 「ありがとうございます。えっとぉ…、常に挑戦し続けることはこれからも続けていきたいなというふうに思います。うん。なんか、正直、僕の中では線引きがとても難しいなって思ってしまっているんですけれども、その競技者、としてのアスリートなのか、プロとしてのアスリートなのかっていう点に関しては、すごく、何か、線引きがあいまいで。じゃあ僕がここで『プロになりました』って言ったらプロなのかって言ったら、まあそういう世界なのでそうとしか言い切れないっていうところがあるんですけれども、でも、僕は、気持ちとしては、あの、そんなに大きく変ったつもりはないです。とにかく、これからも常に夢に向かって、目標に向かって努力して行きたいなと思いますし、あとは、より責任を持って、自分の発言に責任を持って、自分の行動とかに責任をもって、あのぉ、アスリートとして、これからも自分の活動を全うしていきたいなって言う気持ちでいます。もちろん4回転半ジャンプも、やっぱり成功させて、それをなんか皆さんと共有できたり、みなさんの前で、ええ成功させられたりしたらいいなって言うことを、強く思っています。ありがとうございます」 ―プロアスリートとしての今後の活動は。現時点で具体的に、ショーなどのプランはある? 「はい。えっとぉ、ありがとうございます。えっとー、まあ自分の中で考えていることだったりとか、まあちょっと話し合いとかをして、ちょっと話しあったぐらいの段階でしかないんですけれども、あの具体的に、ええいろいろ進めようとしていることはあります。ええ、それがまあなんなのかって言ってしまうと、ちょっとあの、まだまだ自分の頭の中の構成を伝えただけなので。実際実現できるかどうかもわからないですし、ちょっと具体的に、それを言うのははばかられてしまうので、ちょっと申し訳ないんですけれども、ただ、これからあの、今まで例えば、競技者としてやってきた時は、試合の前だけの露出だったりとか、試合で演技をしたりとか、まあそういったことに限られてきましたけれども、もっともっと、あの今の時代に合ったスケートの見せ方であったりとか、あの、ファンの方であったり、本当にあのぅ、スケートを見たこと無い方々も含めて、あの『これだったら見たいかもな』って思うような、あのショーであったり、うん。なんか、応援してくださる方々が、納得できるような、ええ場所だったり、演技だったり、そういったものを、ええ続けていきたいなって。まあ、ざっくりとしか言えないんですけれども、思っているので。まあちょっと、期間がいつになるのかっていうことを具体的に言うことはちょっと難しいんですけれども、あの、ぜひ期待して欲しいなって思っています。すみません。こんなコメントしかできなくて申し訳ないです。よろしくお願いします。ありがとうございます」 ―今回の決断に至った時期、そこに至る最大の決め手は 「はい、ありがとうございます。えっとぉ。そうですね。まぁ競技者として、まぁここで、ここで終了というか、まぁここからプロになりたいなって思うことは、多々ありました。あのぉ、いろんな場面でありました。もちろん先ほども言ったように、平昌五輪が終わった段階でも思いましたし、えー、なんかやっぱり新たなスタートとして、あのぉ、なんだろう。次のステージに向かいたいっていう、そういうなんかネガティブに引退とか、なんか不思議ですよねフィギュアスケートって。なんか現役が、アマチュアしかないみたいな感じで、すごく不思議だなって僕は思っているんですけど。実際甲子園の選手が、なんか、野球をそこまで頑張っていて、甲子園優勝しました、プロになりました、それは引退なのかなって言われたらそんなことないじゃないですか。僕はそれと同じだと思っていて、むしろここからがスタートで、これからどうやって自分が魅せていくのかとか、どれだけ頑張っていけるっていう所が大事だと思っているので、そういう意味では、あのぉ、なんか、新たなスタートを切ったなっていう風に今は思っています。えっと、もう、あのぉ、先ほどの質問の、えっとぉ、いつ、あのぉ、プロに転向しようかとか考えたかっていう話しだと、あのぉ、毎試合毎試合思っていました。平昌五輪が終わって、試合が終わるごとに、色々考えて…。うん。本当にいろんな事を考えて、『これ努力している方向と間違っているのかな』とか、『本当に…頑張れていないのかな』とか。いろんなことを考えながら、えー、競技をしてきました。まぁ結果として、最終的な決断に至ったのは、まあ北京五輪終わってからです。北京五輪終わって帰って来て、しばらくして、で自分の足首が、うーん、足首を治すための期間として、まぁ治すための期間というか、痛くて滑れなかったので。その期間の中で、色々考えた時に、うん。もう、別にここのステージに、いつまでもいる必要は無いかなっていう風に思って。より、よりうまくなりたいって、より強くなりたいって思って、決断しました。実際に最後に、先日ファンタジー・オン・アイスっていうものがあったんですけれども、その時に滑らせて頂いた時が、自分がアマチュアスケーターとして、滑らせて頂くのが対外的に最後だったんですけれども、その時もまた改めて、『あぁ、より高いステージに立ちたいな』と。より、より一層努力したことが、ちゃんと、皆さんに伝わるステージに行きたいなという風に思いました。ありがとうございました。すいません」 ―五輪のメダルや記録を打ち立てても、より強く、より高くを目指してきた。何がそれほどまでに自分をかき立てた 「なんか、それは、アスリートだからなのだからかなって強く思います。あのぉ、現状に満足したことは基本的にないですし、えっとー、なんか、とにかく、うまくなりたいなって思っていました。それが、うーんと、なんて言うんですかね。それが例えば、ジャンプであったとしても、それが例えばフィギュアスケートで求められている、音楽的な表現であったとしても、なんか常にうまくなることが、うん、楽しみというか。なんかそれがあったから、ずっと、今、スケートをやっていられるなって思ってます。なんか、自分の中では、『スケート=生きてる』みたいなイメージがあって。生きる中ってどうしても、その、うまくいったりうまくいかなかったりって絶対あったり、そこに対して何か言われたりとか、喜んでもらえたりとか、色々あったりもしますし。逆になんかすごい停滞したりもあったりとかっていうことも色々あったり。なんか、そういったものがすごく、なんかスケートの中で感じられるなと思っていて。なんか、なんかそれこそがなんか、自分にとってのフィギュアスケートなのかなって思っているので。だからなんか、そうですね。記録を打ち立てたから、記録を取れたからとか、まあ、なんですかね。最高得点出せたからとか、難しいジャンプを跳べたからとか、そういう意味じゃなくて、普通に生きている中で、もっと難しいことやりたいとか、単純に、ちっちゃい頃だったらもっと褒められたいとか、そういった気持ちだけで頑張って来れた気はします。はい。ありがとうございます。がんばります」 ―昨年、今が一番うまいと言っていた。今後、競技会の緊張感が恋しくなることはない? 「ありがとうございます。えー、そうですね。えっとー、競技会の緊張感が恋しくなることは絶対無いと言い切れます。それは、まぁ先ほどお話しした中で、あの、色々考えているっていう、今後の活動について色々考えているっていうお話をした中で、絶対に、あの競技会としての緊張感だったりとか、そういった物を味わってもらえるようなことをしたいなって思っていて。別になんか競技会を作ったりとか大会を作ったりとかっていう、そういうことは考えてはいないんですけれども、あのぉ、やっぱり皆さんが好きな、皆さんが応援したくなるような、羽生結弦って、やっぱり、なんか挑戦し続ける姿であったりとか、あの独特な緊張感があったりとか、そういった中での演技だと僕は思っているので。そういうものを、また感じて頂けるような、あのぉ、なんかみなさんも、「あ、競技者じゃなくなったから、なんか、気緩むなぁ」みたいな感じで見られるようなスケートじゃなくて、あのより、毎回、毎回緊張できるような、もう本当に、全力でやってるからこその緊張感みたいなものを、また味わってもらえるような、あのスケートを常にしたいと思っているので。あのぉ、それはないかなって。むしろ、あの、もっと緊張させてしまうかもしれないし、もっともっと緊張するかもしれないですし僕自身も。でもそれくらい、あの、一つ一つの演技に、自分の、あのぉ、全体力と全神経を注いで、本当に、ある意味では、死力をを尽くして頑張りたいなって思っています。ありがとうございます。頑張ります」 ―4回転が過熱してきた時代で王者として戦ってきた。その自負と、これからの期待は 「ありがとうございます。えっとぉ、そうですね、僕が、あのフィギュアスケートを始めてすごく憧れを持った、えー、フィギュアスケートのトップの選手たちに憧れを持った時代は、4回転ジャンプがプログラムの中に2本入っていたらすごいことだったんですよね。で、今の時代みたいに、そんな4回転ジャンプが、何種類何種類も跳ばれるわけではないですし、あの、まぁ1種類で2本だったりとか、トリプルアクセルがあったりとか、そういった時代でした。まぁそれから、また4回転がなくなったりとか、4回転を跳ぶ、跳ばなくても勝てるような時代が来たりとか、色々あって今、現在に至っています。でも、なんか、僕が好きだった、そのぉ、僕が好きだったというか、今もそうなんですけど。僕が好きなフィギュアスケートって、やっぱり僕自身が憧れた時代の、スケートなんですね。なので、あの時代じゃぁ4回転ジャンプ3本跳んだら優勝なのかって言われたらそんなこともなくて。トリプルアクセルいっぱい跳んだから、勝てるのかって言ったらそんなこともなくて。なんか…もっともっと、心から何かを感じられるような演技。『あ、この人の演技見たいな』って思ってもらえるような演技を、これからもし続けたいなぁあっていう風に思っています。僕自身が、そういう演技をこれまでもやってこられたかどうかは、ちょっと自分だけでは評価しきれないんですけども。でも、これから。うん。へへへへ。これから、僕自身が、そういう演技をもっともっとしたいと思っていますし、これからの、その競技フィギュアスケート界っていうのが、またルールが変わったりとかして、毎年ルールが変更がちょっとずつ変更あるんですけれども、これからルールが変わったり、またいろんなことがあるかもしれないですけど、僕は僕の、僕が大好きだった時代の、僕が追い求めている理想の形のフィギュアスケートを、さらに追い求めたいなって思っています。大丈夫ですか。ありがとうございます」 北京五輪後に『報われない努力もあった』『これまでにないくらい努力した』と。これまでの自身の努力をどう振り返るか。それがプロとしてどのように繫がっていくか 「ありがとうございます。えっとぉ、まぁまず、その平昌五輪を連覇した、平昌五輪で連覇時点で、その、えぇ…まあ、競技を終えて、ええプロとして、さらにうまくなっていきたいなっていう風に思ったっていう時期があったっていう風に話をしたんですけれども、あのままの自分だったら、今の、この自分の努力の仕方だったりとか、自分がどうやったらうまくなるのかとか、そういったことを感じられないまま終わってしまったかもしれないなって。本当の意味で終わってしまっていたかもしれないなって言う風に思いました。あの頃は、あのぉ、まだまだ、その4回転ジャンプも、まぁルッツまで。ルッツ、フリップっていう、本当に、まぁある意味、今の新時代みたいなのを象徴するようなジャンプが増えて来ている段階ではありましたけれども、なんか、そういったジャンプたちを自分も追い求めて、でまた、フィギュアスケートの、そのいわゆる、んー、一番うまくなれる時期っていうか。まぁ『フィギュアスケーターってこれくらいの年齢で競技を終えるよね』って、『ここからうまくならないよね』って、『むしろ停滞していったり維持するのが大変だったりするよね』っていうそういう年齢が、大体23とか24くらいで、切り替わってしまうというが、定例みたいなものでした。だけど、あのー、僕自身は、23歳で平昌五輪を終えて、それから、今の今まで本当に、あのジャンプの技術も含めて、かなり成長できたと思っているんですね。それは、その中でどういう努力をしたら良いのかとか、どういう工夫をしていけばいいのかとか、そういう事がわかったからこそ、今があるんだなっていう風に思っています。そういう意味で今が一番うまいんじゃないかなと思っています。だからこそ、その経験があったからこそ、これからも、例え自分が30になろうとも、40近くなろうとも、40までスケートやっているかちょっとわからないですけど(笑い)。でも、それまで、なんか今までは、この年齢だからできなくなるなって思っていたことが、無くなるんじゃないかなってちょっとワクワクしています。えー、そういう意味では、やっぱり、北京五輪までやり続けてきて、本当に努力し続けてきて、これ以上ないくらい頑張ったと言える努力をしてこれて良かったなとと思いますし、またこれからも、改めていろんな努力の仕方だったりとか、頑張り方だったりとか、色々試行錯誤しながら、さらにうまくなっていけたらいいなと思います。ありがとうございました」 ―正直、羽生結弦として生きてきて大変だったこと。自身にとって重荷になったことはなかったのか 「はい、ありがとうございます。えっとぉ、いや常に、僕、まあ僕っていう定義がちょっとまたわからなくなっちゃうので、ちょっと難しいんですけど。あの僕にとって羽生結弦という存在は、常に重荷です。もう、本当にすごい重たいです。こうやって会見でお話しさせて頂く時とかも、ここに登壇させて頂くときとかも、そして『決意表明をしてください』って言われたときとかも、もう、ものすごく緊張して、今まで考えてきたことが全て吹っ飛んでしまうくらい、もう、手足も真っ青になってしまうくらい緊張していました。あの、まあそういった意味で、自分自身も完璧でいたいって強く願いますし、これからも完璧でいたいって、もっと、もっともっと良い自分でいたいって、もっと良い羽生結弦でいたいって思ってしまうので。これからも、また重いなぁって(笑い)。いろんなプレッシャーを感じながら過ごすことになってしまうと思うんでけれども、でもなんかその中で、うん。やっぱり、こういう姿を見て応援して下さる方々はたくさんいらっしゃいますし、また、あの、北京五輪のように、うん。自分がちょっと心が崩れてきてしまったときとか、なんか、あの時まぁ『努力が報われなかった』とか、『報われない努力があるんだ』とか、『幸せって、本当に心の中から言えない』とか、いろんな言葉を言ってしまっていましたけども、まぁでもそういった自分がいることもみなさんにもわかって頂いたり、そういう自分も応援してくださっている方々がいるのも、うれしいなぁとは思っています。なんか…いつもいつも…うん。『羽生結弦って重たいなぁ』って思いながら過ごしていますけど。それでも、その羽生結弦という存在に、恥じないように、生きてきたつもりですし。これからも、生きていく中で、まぁ羽生結弦として生きていきたいなって思いますし。ただ、その中で、先ほどのその決意表明の中で話させていただいたように、あの自分の心をないがしろにすることはしたくないなと。これまで、演技をしていくにあたって、本当に、なんか心が空っぽになってしまうようなこともたくさんありましたし、訳もなく、涙が流れてきたりとか。ご飯が通らなかったりとか。そういったことも、多々ありました。正直、いわれの無いことも言われたりとか。なんか…なんかね。『そんなたたかなくてもいいじゃん』って思うようなこととか。正直、いろんあことがありました。けど、あのぉ、人間としてもいろんな人が信頼できなくなったり、誰を信用して良いのかわからない時もありました。でも多分それは、羽生結弦だからじゃなくて、みなさんがそう思っているんだと思いますし、大なり小なり皆さんが辛いんだなと、思っています。だからこそ、なんか僕自身が、これからも生きていく中で、生活していく中で、なんか、心を大切にしてもいいんじゃないかなって。もっと、自分の心が空っぽになってしまう前に、自分のことを大切にしてきてくださった方々と同じように、自分自身も大切にしていかなきゃいけないなという風に、今は思っています。なので、皆さんも、あのぉ、なんか…うん。なんか自分を応援することで、いろんなことを感じていただけたり、なんか『生活の一部だ』とか、『生きがいだ』とか言ってくださることはとてもうれしいですし、そういう風にこれからもなっていくつもりです。ただ、なんか、そういった中でも、自分の心を大切にするようなきっかけの一つであったらいいなっていう風に思っています。ありがとうございます」 ―プロ、アスリートとしての羽生結弦に、4回転についての決意を聞きたい 「ありがとうございます。えっとー、正直な話し、えー。やっぱアスリート、なんかフィギュアスケートって、そんな苦しいところを見せていけないっていう風には自分の中では思っていて。その、演技している時にめちゃくちゃ頑張っているんですけど、本当は。で、演技終わったあとはキス・アンド・クライっていう点数が発表されるところがあったりしてて、で、そこで倒れ込むわけにいかないんですけど、でも僕ら倒れ込むくらい、あの全力で毎回滑っています。そういった中でも、ええ、なんかアイスショーって、なんか華やかな舞台であったりとか、エンターテイメントっていうイメージがあると思うんですけど、なんか、もっともっと、僕はアスリートらしくいたいなぁって。もっともっと難しいことにチャレンジしたりとか、挑戦し続ける姿だったりとか、戦い続ける姿だったりとか。そういったことを、もっと皆さんに見て頂きたいなって。期待して頂きたいなって思って、ええ、今回、この言葉たちを選びました。実際4回転半に関しては、あの、北京五輪で、すごく良い体験ができたと思っていますし、実際あの時は、その痛み止めの注射を打ってしまっているからこそ、何も感じなかったからこそ、何も怖くなかったっていうことがあって。なんか、本当に全力を出し切って、4回転半に挑むことができたんですけれども、今現在、えー。やっぱり、右足首の回復を待ったりとか、まぁ、うーん、まぁあの時は本当に、4回転半のために、ずっと努力していたと言っても過言ではないので。それと比べたら、最近やっぱりアイスショーがあったりとかして、4回転半にその取る時間が無かったので、あの、あの頃よりはへたくそになっちゃっているかもしれないですけども、今現在も4回転半の練習を常にやっています。実際に、あの頃得た知見があったからこそ、北京五輪、そして北京五輪の前にも、いろんな知見を得られたからこそ、今、今の現段階でも、『もっとこうやればいいんだな』とか、『もっとこうできるんだな』っていう手応えがありますし、また、ここ最近、えー、まぁアイスショーに出させて頂いたりとか、そういった中で、こういう視点があったんだなと言うことも、毎日のように発見があって。なんか、そういう意味で、これからさらにうまくなっていけるんだなって、なんか自分への期待と、ワクワク感がある状態です。実際には、あの頃よりはへたくそになってしまっているかもしれないですけども、でも、きっと、なんか、北京五輪の時はもう伸び代無いのかなって思ったんですけど、今は伸び代をいっぱい感じています。期待してて下さい。ありがとうございます」 ―自身にとってファンはどういう存在か。ファンへの言葉を 「はい、ありがとうございます。えっと、ええ、改めて。うーん。まあ一言で言うのは難しいんですけれども…やっぱり、応援して下さる方がいるから、僕は今ここで話していて、これまでスケートをやってこられて、これからもスケートをさらに突き詰めていこうって、思えています。正直、先ほども言ったように、その自分が特別な存在とか、自分が特別な力があるとか、そんなことは全く思っていなくて。なんか、人一倍、みなさんに応援して頂けるからこそ、力があったりとか。なんか、応援の力があるから、僕はうまくなっているだけなんだな、とすごく思っています。これが、なんか例えば、これがなんか10人くらいにしか応援されていなかったりとかしてたら、きっとその10人の方々の気持ちを受け取るだけでいっぱいいっぱいになってしまって、こんなにスケートだけに没頭できる日々はなかったかなと思います。ただその中で、やっぱり、皆さんがたくさん期待してくださって、でその期待に応えた時に、またより多くの人が期待してくださって、そんな循環が、僕は本当に大切だったし、そんな循環をこれからもさらに続けていきたいですし。そうやってまた、皆さんの期待に応えられるような演技を続けていきたいなって思うので。あの、正直、僕の、心の底からの今の気持ちは、『どうかこれからも、あの期待してやって下さい』っていうのと、『どうかこれからも見てやって下さい』っていう気持ちが、自分の本音です。なんか、ここで『ありがとうございました』じゃないっていうのは、正直自分が一番思っていて。全然終わらないので。引退でも何でもないので。ここからさらにうまくなるし、さらに見る価値があるなって、思ってもらえるような演技をするために努力していくので、これからもどうか、応援してやって下さい。よろしくお願いします。ありがとうございます」 ―これから心を大切にと。プロとして、今後の人生の最優先事項3つ挙げるなら 「ありがとうございます。3つか。難しいなあ(笑い)。ふふ。うぉー。ふふ。3つ。そうですね、あの、『成功させられる努力をまずすること』。それが、まぁ自分にとって一番優先、一番上の優先事項ですかね。それは4回転半も含めて、4回転半も成功させたいし、自分自身が目標としている演技たちだったりとか、ここであえて『演技たち』って言ってしまいましたけど、いろんな演技をしていくに当たって、絶対にあの頃よりうまいんだぞって、自分の、過去の自分よりうまくなったなって、あの言ってもらえるような、理想としている演技ができるような努力をしていきたい。それが、今、一番自分にとっての第一優先のことです。あと2つ。そうですね…。えー…。うーんと…。うわぁ難しいな。んー、まぁこれはプロになったからとか、そういんじゃないかもしれないんですけど。えー、『人間として美しくありたい』と思っています。なんか、言葉で全部表現するのは難しいんですけど、例え明日の自分が、自分のことを、今の自分を見たとしても、ちゃんと『あぁ昨日の自分頑張ったな』って思ってもらえるような自分を、常に大切にしていきたいなって思いますし、うん…。なんか、一生胸張って生きられる生き方をしていきたいなって、思っています。そして3つ目は、うーんと…。うーん…。難しいですねぇ、へへへへっ(笑い)。そうですね。うーん。なんかあるかなぁ…。あ!はい! えっと、『勉強を怠らない。常に勉強し続ける』っていうことを、3つ目に挙げたいなって思います。えっと、もちろん、そのスポーツとしてのフィギュアスケートの、競技、というところからは抜けて、違う、新たなステージに、一歩高い所に上がっていくと自分の中では位置づけているんですけれども、あの、これからもずっとずっと勉強していきたいなと思っています。いろんなこと、まぁ自分自身、まぁちょっと最近ダンス、ダンスをうまくなりたいなとか、氷上でうまく使えないかなとか思ってちょっと学んでいたりとか。あとは、あの、力学のことだったりとか、運動学だったりとか、えー、人間工学だったりとか。あとはパフォーマンスをどういう風に見られるのかとか、どういう風に評価されるのかとか、そういったことも含めて、これからもどんどん勉強して、どんどん深い人間になっていきたいな、深いフィギュアスケーターとして、なっていきたいなと思うので。常に勉強し続けられる、アップデートし続けられる人間でありたいなって思います。ありがとうございます」 |
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